【住宅性能と健康】講演会レポート

こんにちは、昨日新大阪のワシントンホテルプラザにて住宅性能と健康に関しての講演会を拝聴してきました。

フライングシーからは田中、白井の二人で参加しました。

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近畿大学で住環境を医療の立場などから研究されている岩前教授が省エネと健康についてお話をされました、
大阪人ならではのユーモアを織り交ぜながらの有意義な講演でした。
気になったお話を抜粋してお伝えしようと思います。
【家の中は道路よりも危険】
いつも暮らしている我が家、一番くつろげる場所だと思っているあなた!
本当にそうでしょうか?
環境・技術先進国日本の住環境は他の先進国より遙かに劣っています。
1年間で家庭内事故(家の中での転倒・失神)で亡くなる人は実は交通事故で亡くなる人の3倍です。
その主な原因は部屋ごとの温度差が原因でおこる脳卒中や心筋梗塞です。
この部屋ごとの温度差で起こる突発性の疾患をまとめて「ヒートショック」といい、
服を脱いで裸になるお風呂、布団から出て夜中に行くトイレでよく起こると言われています。
旦那さんや子供を送る時に「行ってらっしゃい気をつけて」と奥さんがよく言いますが、
「お帰りなさい気をつけて!」(家の中は、危険がいっぱいですよ!)と言った方が良いのでは?
と教授はと冗談交じりにおっしゃっていました。
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【暖かい土地ほど起こりやすいヒートショック】
そんなヒートショックを防止するために欧米の寒冷地では断熱材の厚みを300mm~400mm(日本の市販製品換算で)位施工するそうです。
日本はドイツやイギリスに比べれば暖かいからそんなにやらなくても、大丈夫でしょう?
と思われるかもしれませんが、ヒートショックの発生率は、そういった寒冷地よりも日本の方が高く、
日本よりも発生率が高いのはスペイン、イタリアと言った断熱の規制の緩い温暖な地域です。
これは外部の気温に関係なく快適な室温の下限が21℃であることに関係しています。
いくら温暖な地域でも室温が21℃を下回ると健康な成人であっても免疫力が下がったり
上記のヒートショックの発生を誘発したりします。
さらに見過ごされがちなのは就寝中の室温低下が原因で起こるものです。
無意識状態でも体は寒さに蝕まれるのです。
ちなみに関西圏の朝の室温の平均は高齢者が心筋梗塞などを起こしやすくなる13℃を大きく下回っています。
これからの時期は注意が必要ですね。
【断熱をするのが健康への近道】
ヒートショックを予防する方法として、家全体の室温を適温で一定に保つ事が必要になってきます。
そのためには高性能な暖房器具を設置する、家の外皮面積を小さくする等がありますが、
新築の場合、断熱性を上げる(断熱材の厚みを増やす、高性能断熱材を使う)
が一番効果的だそうです。
高性能な器具はいずれ故障するし、外皮面積を減らすとデザイン性が失われ、味気ない空間構成になる。
その点、断熱性を上げることは、デザイン性への制約も無いし、断熱材はメカではないので壊れることもない。
欧米ではその考え方が浸透していて、資金計画に余裕があればまず断熱性を上げる計画をするそうです。
フライングシーでも断熱材は現在の断熱性基準でもある、改正省エネ基準を遙かに越える断熱性能を計画提案しています。
岩前教授のお話は大変興味深く、今回の講演会は今後勉強を進めて行く上での良い機会となりました。
お客様に更に良い提案ができるよう更に精進します!!
〈田中〉

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